事業を成長させるためには、感覚や経験だけでなく、データに基づいた意思決定が不可欠です。しかし、「マーケティングリサーチを始めたいけど、何から手をつけていいか分からない」「調査をしたものの、結局事業に活かせなかった」というお悩みを持つWEB担当者の方は少なくありません。
マーケティングリサーチは、正しい手順に沿って進めることで、誰でも精度の高いデータを取得し、事業の成長に繋げることが可能です。この記事では、初心者でも迷わないマーケティングリサーチの5つのステップを、当社のノウハウも交えながら分かりやすく解説します。
調査プロセスの全体像
マーケティングリサーチは、大きく分けて5つのステップで構成されます。これらのプロセスを一つひとつ着実に進めることが、意味のあるデータを取得し、事業の課題解決に繋げるための鍵となります。
5つのステップ
- 調査目的の明確化: 何を知りたいのか、解決すべき課題は何かを具体的にします。
- 調査設計: 目的を達成するために、どのような手法で誰に調査を行うかを計画します。
- データ収集: 計画に沿ってアンケートやインタビューを実施します。
- データ集計と分析: 収集したデータを整理し、法則や傾向を見つけ出します。
- レポート作成と活用: 分析結果を分かりやすくまとめ、次のアクションに繋げます。
この後、それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
1. 調査目的を明確にする
マーケティングリサーチで最も重要なのは、最初の「調査目的の明確化」です。目的が曖昧だと、せっかく調査をしても、「何のためのデータか分からない」「結局、何が課題だったのか見つからない」といった失敗に繋がります。
まずは、「なぜこの調査を行うのか?」を深く掘り下げてください。例えば、「新商品の売上を上げたい」という漠然とした目的ではなく、「新商品が売れないのは、ターゲットの20代女性にデザインが響いていないからではないか?」「その仮説を検証するために、20代女性のデザインの好みを明らかにする」といった具体的な問いに落とし込むことが大切です。

当社では、一般的なデモグラフィック情報だけでなく、価値観やライフスタイルといったサイコグラフィックでセグメントしたユーザー層に絞ったアンケートを、低価格で取得するノウハウがあります。これにより、本当に知りたいターゲットのインサイトを効率的に引き出すことができます。
2. 適切な調査設計を行う
目的が明確になったら、それを達成するための調査を設計します。この段階では、「誰に」「何を」「どうやって」聞くかを具体的に計画します。
調査手法には、主に定量調査と定性調査があります。
- 定量調査: アンケートなど、数値で回答を得る調査。市場全体の傾向を把握したい場合に適しています。
- 定性調査: インタビューなど、ユーザーの意見や感情を深く掘り下げる調査。**「なぜ?」**という背景にある心理を理解したい場合に有効です。
目的に応じて、どちらか一方、あるいは両方を組み合わせて設計します。
意味あるアンケート設計
アンケートは、質問の言葉選び一つで回答の質が大きく変わります。質問が分かりにくかったり、誘導的だったりすると、偏ったデータしか得られません。
- アンケートの質問項目を設計しているイラスト
- ウェブアンケートの画面とそれを入力しているユーザーのイラスト
ハイクオリティなインタビュー設計
インタビューは、調査員のスキルに左右されがちです。しかし、事前にしっかりとしたインタビュー設計を行うことで、誰がやっても一定の質を保つことができます。

私の経験上、この意味ある1次情報を社内から収集できる社内広報がある組織はとても強いです。事前に用意したスクリプトに加え、回答者の発言からさらに深く掘り下げるための質問例をパターン化することで、インタビューコンテンツがとてもレベルの高いものになります。
3. データ収集と効率化
調査設計が完了したら、実際にデータを集めていきます。インターネットアンケートはSurveyMonkeyやGoogle Forms、Freeasyのようなツールを使えば手軽に実施できますし、インタビューはオンラインツールを活用すればリモートでも可能です。
この段階で重要になるのは、「いかに早く、効率的にデータを集めるか」です。事業のスピードを落とさないためにも、リサーチ業務を効率化する仕組みを構築することが重要です。

特にFreeasyは必要なデータ数だけ取得してそこだけに費用を掛けられるので投資対効果は抜群です。アンケート設計は以外に奥が深く意味あるデータが収集できるかどうかは設計次第なので重要な工程です!
4. 分析と価値ある情報への変換
データが揃ったら、集計・分析に移ります。アンケートの集計はツールで自動化できますが、重要なのは「集まったデータをどう解釈するか」です。単なる数値の羅列ではなく、そこから「ユーザーの行動や心理」という文脈を読み解くことが、価値ある情報に変換する鍵となります。
例えば、「商品Aの満足度が50%」という数値だけでは、次のアクションは分かりません。しかし、「20代の満足度が特に低い」「デザインに関する不満が多い」といった傾向を読み解くことで、「デザインを改善すれば満足度が上がり、売上も伸びる可能性がある」という具体的な示唆を得ることができます。

このデータ分析でゴールであるKGIと完全に相関するKPIを見つけることが難しいのですがとても重要です。これがクリアできるとマーケティングにおけるKPIマネジメントが前に進められます!
5. 調査結果の活用とアクション
リサーチの最終ゴールは、レポートを作成して終わりではありません。得られたインサイトを事業戦略に落とし込み、具体的なアクションを実行することです。
レポートは、社内の関係者が理解しやすいように、グラフや図を多用し、結論と推奨アクションを明確に記載しましょう。そして、そこで得られた知見をもとに、新商品の開発や既存サービスの改善、マーケティング戦略の見直しなど、具体的な行動に移すことが重要です。
まとめ
マーケティングリサーチは、正しい目的設定と、それに適した手順を踏むことで、誰でも効果的に行うことができます。
- 「なぜ?」という問いから始める調査目的の明確化
- 定量・定性調査を使い分ける調査設計
- 効率的なデータ収集
- データを価値ある情報に変換する分析
- 結果を次のアクションに繋げる活用
これらのステップを意識するだけで、単なる情報収集で終わらない、事業の成長に直結するリサーチが可能になります。もし、自社での実施に不安があれば、プロのノウハウを活用することも賢い選択です。
FAQ
マーケティングリサーチの専門家ではないのですが、自社でできますか?
はい、可能です。アンケートツールやオンラインインタビューツールを使えば、手軽に調査を始めることができます。最も重要なのは「何を明らかにしたいのか?」という目的を明確にすることです。目的が定まれば、あとはそれに沿って進めるだけです。
調査の時間がなかなか取れません。効率的に進める方法はありますか?
調査設計の段階で、「最短で何を知るべきか」に焦点を絞ることが重要です。また、アンケートの作成やデータ集計を自動化できるツールを積極的に活用しましょう。どうしても時間がない場合は、リサーチのプロに一部をアウトソーシングすることも一つの手です。
収集したデータが多すぎて、どう分析すればいいかわかりません。
収集したデータは、すべてを分析しようとせず、目的の問いに対する答えを探すという視点に絞って見てみましょう。また、単純な集計だけでなく、「回答者の属性と回答内容の関連性」を分析することで、より深いインサイトが見つかることがあります。

