- TUNAGの導入に成功した企業に共通する「3つの秘訣」
- 「理念浸透」「離職率改善」「情報共有」など、具体的な課題別の導入事例と活用法
- 飲食、小売、製造、介護、ITなど、多様な業種での具体的な活用シーン
エンゲージメントツール「TUNAG(ツナグ)」の導入を検討する際、機能や料金はもちろんですが、「実際に導入した企業は、どう活用して、どんな成果を出しているの?」という点が最も気になりますよね。
特に、自社と似た業種や同じような課題(「離職率が高い」「理念が浸透しない」など)を抱えている企業の成功事例は、導入後の具体的なイメージを掴む上で欠かせない情報です。
しかし、ただ事例を眺めるだけでは、「あの会社だから上手くいったのでは?」と、自社に置き換えて考えるのが難しいかもしれません。
そこでこの記事では、TSRコンサルティングがこれまで培ってきたリサーチノウハウに基づき、TUNAGの豊富な導入事例を「解決した課題」ごとに分類し、厳選した10の事例をご紹介します。さらに、成功企業に共通する「エンゲージメント向上の秘訣」についても深く掘り下げて解説します。
この記事を読めば、自社の課題解決にTUNAGをどう役立てるべきか、その具体的な活用法と成功への道筋が明確になるはずです。
TUNAG導入成功に共通する3つの秘訣
個別の事例を見る前に、まずTUNAGの導入と運用に成功している企業に共通する「秘訣」を3つご紹介します。これらのポイントを押さえることが、導入効果を最大化する第一歩となります。
1. 導入目的(解決したい課題)が明確
最も重要なポイントです。「他社がやっているから」といった曖昧な理由ではなく、「離職率を3%改善する」「理念浸透度をサーベイで10ポイント上げる」といった、自社の具体的な課題(WHY)が明確になっています。
目的が明確だからこそ、「どの機能(HOW)を使うべきか」「どんな社内制度を設計すべきか」が定まり、運用がブレません。
2. 経営層の本気度(トップダウンの発信)
エンゲージメント施策は、人事部だけに任せていると「やらされ感」が出てしまい、定着しません。成功している企業では、社長や役員自らがTUNAG上で積極的に発信(例:社長メッセージ、バリュー体現者への称賛)し、「会社として本気で組織を変えようとしている」という姿勢を全社に示しています。
3. 運用体制と推進役(旗振り役)の存在
導入初期は、ツールを定着させるための「推進役(プロジェクトチーム)」の存在が不可欠です。彼らが中心となり、利用ルールの策定、コンテンツの企画(例:今月のMVP発表、新入社員紹介)、利用状況のモニタリングを行います。
TUNAGは専任のカスタマーサクセスが伴走してくれますが、社内にも熱量を持った「旗振り役」がいることが、継続的な活用の鍵となります。

まさにTSRの戦略ノウハウの核心である「WHO(誰に)-WHAT(どんな価値を)」の設計と同じですね。導入目的(WHAT)が曖昧なままでは、どんなに良いツールも宝の持ち腐れです。まずは「自社が解決すべき最優先の組織課題は何か」を可視化することが重要です。
【課題別】理念浸透・文化醸成の事例
「経営の想いが現場に伝わらない」「行動指針が形骸化している」といった課題を、TUNAGで解決した事例です。
事例1:製造業A社「バリュー体現者への称賛」
導入前の課題:
策定した「バリュー(行動指針)」が、特に製造現場の社員にまで浸透していない。暗黙知や個人の頑張りが見えにくい状況でした。
TUNAG活用法:
・サンクスカード機能を活用し、「バリューのどの項目に基づいた行動か」をタグ付けして感謝を送り合う制度を開始。
・月に一度、バリューを最も体現した社員を「MVP」として選出し、社内報でインタビュー記事を配信。
・経営陣も積極的にサンクスカードを送り、称賛の文化をトップダウンで推進。
成果:
これまで見えにくかった現場のファインプレーや助け合いが可視化。「バリューに基づいた行動」が称賛される文化が根付き、エンゲージメントサーベイのスコアが向上しました。
事例2:IT企業B社「ピアボーナスで感謝の流通を促進」
導入前の課題:
リモートワークの移行に伴い、社員同士の雑談や「ありがとう」を伝える機会が激減。組織の一体感が薄れていました。
TUNAG活用法:
・サンクスカードに少額のインセンティブ(ポイント)を付与する「ピアボーナス制度」を設計。
・貯まったポイントは、Amazonギフト券や備品購入に充てられる仕組みに。
・タイムライン上で「誰が誰に、どんな理由で感謝したか」がオープンになり、コミュニケーションが活性化。
成果:
感謝のやり取りが活発化し、リモート環境下でもお互いの貢献が「見える化」されました。「感謝」というポジティブなコミュニケーションが流通することで、組織への帰属意識が向上しました。
(参考記事:TUNAGは理念浸透になぜ効果的?“伝わる”仕組みと活用ノウハウを解説)
【課題別】離職率改善・定着支援の事例
「新入社員がすぐに辞めてしまう」「社員のコンディションが把握できない」といった、人材定着に関する課題を解決した事例です。
事例3:介護・福祉C社「パルスサーベイで不調を早期発見」
導入前の課題:
介護現場はストレスも多く、社員が悩みを抱え込む前に退職してしまうケースが多発。特に新人の早期離職が課題でした。
TUNAG活用法:
・週に1回、スマホで簡単に回答できる「パルスサーベイ(コンディション調査)」を実施。
・コンディションが低下している社員をシステムが自動で検知し、上司や人事にアラート。
・1on1支援機能を併用し、上司がアラートの出た部下と面談。面談記録もTUNAG上に蓄積。
成果:
社員のメンタル不調や業務上の悩みを、深刻化する前にキャッチアップできる体制が構築。早期のフォローが可能となり、入社1年以内の離職率が大幅に改善しました。
事例4:飲食チェーンD社「日報とプロフィールで早期オンボーディング」
導入前の課題:
多店舗展開のため、新入社員やアルバイトスタッフが入社しても、本部や他店舗の社員との接点がなく、早期に孤立しがちでした。
TUNAG活用法:
・新入社員に「日報」を投稿してもらい、それに対して店長だけでなく、他店舗の先輩や本部の人事担当者もコメントや「いいね」を送る運用に。
・プロフィール機能に趣味や自己紹介を登録してもらい、共通点を見つけてコミュニケーションのきっかけに。
成果:
新入社員が「自分は見てもらえている」という安心感(心理的安全性)を感じられるようになり、職場への定着率が向上。店舗間のコミュニケーションも活性化しました。

パルスサーベイは非常に強力な機能ですね。TSRのリサーチノウハウでも、アンケートは「取って終わり」ではなく「分析して次につながる価値ある情報に変換する」ことが重要だと考えています。TUNAGはコンディションの低下を自動検知し、1on1という次のアクションに直結させられる点が優れていますね。
【課題別】情報共有の円滑化(デスクレスワーカー)の事例
「本社からの情報が、店舗や現場のスタッフに届かない」といった、デスクレスワーカー特有の情報格差を解消した事例です。
事例5:小売・アパレルE社「スマホ社内報で情報格差をゼロに」
導入前の課題:
全国の店舗にPCがなく、本社からの重要な通達(新商品情報、キャンペーン情報)が店長止まりに。アルバイトスタッフまで情報が浸透しないことが課題でした。
TUNAG活用法:
・これまで紙やメールだった情報共有を、すべてTUNAGの「社内報機能」に一元化。
・スタッフ個人のスマートフォンアプリにプッシュ通知で情報が届くため、閲覧率が飛躍的に向上。
・「既読・未読」が分かるため、重要な情報が伝わっているかを本部で管理可能に。
成果:
全スタッフがリアルタイムで同じ情報にアクセスできるようになり、店舗間のサービス品質のバラツキが減少。お客様への案内ミスなども減りました。
事例6:運輸・物流F社「マニュアルの動画・ドキュメント共有」
導入前の課題:
ドライバーや倉庫スタッフへの業務マニュアルが紙ベースで更新も煩雑。新人教育もOJT頼りで、教育担当者の負担が大きくなっていました。
TUNAG活用法:
・ドキュメント管理機能を使い、安全運転マニュアルや業務手順書をすべてTUNAG上に格納。スマホでいつでも最新版を確認可能に。
・複雑な作業手順は「動画マニュアル」として社内報にアップし、空き時間に学習できるようにしました。
成果:
教育担当者の工数が大幅に削減され、新人も自分のペースで学習できるように。業務ミスの削減にも繋がりました。
(参考記事:TUNAGがデスクレスワーカー(現場・拠点)の課題解決に強い理由とは?)

まさに「現場と経営層の目線を合わせる」好事例ですね。特に小売や飲食、物流といったデスクレスワーカーを多く抱える企業にとって、スマホアプリで情報格差を埋められるかは死活問題です。TUNAGはこの領域に非常に強いですね。
【課題別】コミュニケーション活性化の事例
「部署間の壁が高い」「リモートワークで雑談が減った」といった、コミュニケーション不足を解消した事例です。
事例7:サービス業G社「社内サークルとイベントカレンダー」
導入前の課題:
事業部ごとの縦割りが強く、部署を超えた連携が少ない。イノベーションが生まれにくい組織風土でした。
TUNAG活用法:
・社内サークル機能(グループ機能)を使い、フットサル部、読書会、eスポーツ部など、業務外の共通の趣味を持つコミュニティを活性化。
・イベントカレンダー機能で全社的なイベント(懇親会、勉強会)を告知し、参加を促進。
成果:
部署や役職を超えた「斜めの関係性」が構築されました。業務上の連携もスムーズになり、「あの人に相談してみよう」という心理的ハードルが下がりました。
事例8:人材サービスH社「『今日のGood News』タイムライン」
導入前の課題:
営業成績などの定量的な成果は共有されるが、日々の小さな成功やプロセスでの工夫が共有されず、ナレッジが属人化していました。
TUNAG活用法:
・タイムライン機能で、「#今日のGoodNews」というハッシュタグをつけ、顧客から感謝されたことや、業務で工夫したことを気軽に投稿するルールを設定。
・投稿には必ず誰かが「いいね」やコメントでリアクションし、ポジティブな雰囲気を醸成。
成果:
成功事例やナレッジが全社で共有されるようになり、組織全体のスキルが底上げされました。また、お互いの仕事ぶりが見えることで、リスペクトが生まれました。
【業種別】その他の注目導入事例
上記の課題以外にも、TUNAGは多様な活用法で成果を上げています。
事例9:建設業I社「ワークフローで現場の申請業務を効率化」
導入前の課題:
現場監督や作業員が、各種申請(経費精算、資材発注、休暇申請)のために一度事務所に戻る必要があり、非効率でした。
TUNAG活用法:
・ワークフロー機能を導入し、これまで紙ベースだった申請・承認業務をすべてスマホで完結できるように。
・承認ルートも柔軟に設定でき、申請状況もスマホから確認可能に。
成果:
現場スタッフの移動時間や管理部門の事務作業時間が大幅に削減。本来のコア業務に集中できる環境が整いました。
事例10:金融・保険J社「eラーニングと社内テストの徹底」
導入前の課題:
金融商品を扱う上で必須となるコンプライアンス知識や、新商品の知識を全社員にムラなく教育・浸透させることが困難でした。
TUNAG活用法:
・eラーニング機能(ドキュメントや動画)で研修コンテンツを配信。
・社内テスト機能を使い、理解度テストを実施。未受講者や不合格者には自動でリマインド通知を送信。
成果:
全社員の知識レベルを均一化し、コンプライアンス遵守の意識を高めることに成功。教育コストの削減にも繋がりました。
事例から学ぶ導入失敗を避けるコツ
これら10の成功事例とは対照的に、エンゲージメントツールの導入に「失敗」するケースもあります。よくある失敗パターンは以下の2つです。
- 導入が目的化し、誰も使わなくなる
- 一部の社員(人事部や意識の高い人)しか使わず、全社に広がらない
こうした失敗を避け、成功事例の仲間入りをするためには、前述の「成功の秘訣」に立ち返ることが重要です。
「何のために(WHY)」導入するのかを全社で共有し、経営層がコミットする。そして、「どう使ってもらうか(HOW)」の運用ルールを設計し、TUNAGのカスタマーサクセスと二人三脚で推進する「社内の旗振り役」を立てる。
TUNAGは機能が非常に豊富なため、「あれもこれも」と欲張らないことも重要です。まずは自社の最重要課題を1つか2つに絞り、その解決に必要な機能(例:離職率改善ならパルスサーベイと1on1支援)からスモールスタートし、徐々に活用範囲を広げていくのが賢明な進め方と言えるでしょう。

導入プロジェクトの推進には、TSRの「関係者との合意形成ノウハウ」や「プロジェクトマネジメントノウハウ」が活かせる領域です。ツール導入は、現場にとっては「仕事が増える」とネガティブに捉えられがち。いかに「自分たちのためのツールだ」と当事者意識を持ってもらうかが、定着の鍵ですね。
まとめ
本記事では、TUNAG(ツナグ)の導入事例を「課題別」「業種別」に10個厳選してご紹介し、成功企業に共通する秘訣を解説しました。
飲食、小売、製造、介護、ITなど、業種や規模を問わず、多くの企業がTUNAGを活用して「理念浸透」「離職率改善」「情報共有」といった組織課題を解決していることがお分かりいただけたかと思います。
成功事例に共通しているのは、自社の課題(WHY)を明確にし、経営層がコミットし、推進役が中心となってTUNAGの機能(HOW)を自社独自の「制度」として設計・運用している点です。
TUNAGは「導入して終わり」のツールではありません。自社の組織をより良くするために、継続的に活用していく「生きたプラットフォーム」です。
まずは自社と似た課題を持つ企業の事例を参考に、「もし自社で導入したら、どの機能を使って、どんな制度を運用できるか」を具体的にイメージしてみてはいかがでしょうか。
TUNAGの導入事例に関するFAQ
自社と似た業種・規模の事例をもっと見る方法はありますか?
はい、TUNAGの公式サイトには、本記事で紹介しきれなかった多くの導入事例が掲載されています。業種や従業員規模で絞り込んで検索することも可能です。また、公式サイトから資料請求や問い合わせをすることで、Web上では公開されていない、より自社の状況に近い「非公開事例」を紹介してもらえる可能性もあります。
導入しても社員に使われなくなるのが不安です。
その不安は、多くの導入担当者様が抱える点です。成功の秘訣でも触れた通り、「経営層からの発信」と「社内の推進役」の設置が非常に重要です。また、TUNAGは専任のカスタマーサクセス担当が、利用率を高めるための施策(例:利用を促すコンテンツ企画、利用状況の分析レポート)を一緒に考え、伴走サポートしてくれます。この手厚いサポート体制を活用することが、定着の鍵となります。
事例のような成果が出るまで、どれくらいの期間がかかりますか?
解決したい課題の難易度や、導入時の運用体制によって大きく異なります。多くの事例では、まず導入から3ヶ月〜半年で「ツールの利用定着」「コミュニケーションの活性化」「情報共有の円滑化」といった手応えを感じ始めるケースが多いようです。その後、半年〜1年をかけて、「離職率の改善」「エンゲージメントサーベイスコアの向上」といった、より本質的な組織変革の成果として現れてくる傾向があります。

