リスティング広告を運用する中で「クリックは集まるけれど、コンバージョンが伸びない」と悩む方は多いのではないでしょうか。
広告費を投じても顧客獲得単価(CPA)が高止まりしてしまうと、費用対効果は下がってしまいます。
この記事では、CPAを改善するための具体的な方法を、実際の運用ノウハウを交えて解説します。
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CPA改善の基本的な考え方
CPAを改善するためには、「無駄なクリックを減らし、質の高いコンバージョンを増やす」ことがポイントです。
クリック数を追うのではなく、最終的に売上や成約につながるユーザーを見極めることが重要です。

大前提として検索広告の特性は刈り取り型のPULL広告ですのでやはり無駄なコストはかけるべきではないです。オークションで叩かう予算勝負は大手のやることで、中小企業は本来の検索広告の特性を活かし、少額でも欲しいユーザーがいるキーワードにだけお金を払う狙いを持ちましょう。
CPA改善の具体的な方法5選
① キーワード精査と除外設定
コンバージョンにつながらないキーワードは定期的に精査し、除外リストに追加しましょう。
たとえば「無料」「口コミ」「安い」といった検索意図は情報収集段階のケースが多く、CVにつながりにくい傾向があります。

私たちの運用経験では、毎月の除外キーワード設定だけでCPAが20〜30%改善した事例があります。
② 広告文の改善とテスト
広告文のクリック率(CTR)が高くても、CV率が低ければ意味がありません。
ユーザーの検索意図に沿った広告文を複数パターン用意し、A/Bテストを繰り返すことが重要です。
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③ ランディングページの最適化
広告文とランディングページの内容が一致していないと、直帰率が高まりCPAが悪化します。
以下のポイントを意識すると改善が期待できます。
- 広告文と同じキーワードをページ内で強調する
- ファーストビューに「申込みボタン」や「電話番号」を配置
- スマホ対応を強化し、読み込み速度を改善する
④ 入札戦略の見直し
Google広告の自動入札は便利ですが、十分なCVデータが蓄積されないと精度が上がりません。
CV数が月50件未満のアカウントでは、手動入札やターゲットCPAを低めに設定して調整する方が成果につながりやすいです。

Google広告側としても推奨されるのは自動入札ですが、その場合最初は初期投資として学習しながらの最適化が動くため、予算の割には初動がいまいちというケースが多くみられます。
⑤ セグメント別の最適化
ユーザーの属性ごとに成果を分析し、効果が薄いセグメントを除外するのも有効です。
たとえば「年齢」「性別」「地域」「デバイス」ごとに効果を分けて分析すると、改善ポイントが見えてきます。
実際の改善事例
ある中小企業では、クリック数は安定していたもののCPAが10,000円を超えていました。
そこで以下の対策を実施しました。
- CVの際のキーワードと”CVに至らないキーワード”の精査をし配信キーワードの停止
- キーワードが持つユーザーの潜在ニーズからLPとキーワードの関連性を強化
- 全精査毎週の除外キーワード更新
その結果、CPAは約40%改善し、狙った5,000円台に収まりました。

広告の手段にウルトラCはありません。王道な手段の中で企業独自の状況に応じてディティールにこだわる「神に細部を宿す」施策案のアイディアを練って施策に落とすことを繰り返すのが重要です。
まとめ
CPA改善のカギは「無駄を減らし、質の高いCVに集中する」ことです。
キーワード精査・広告文改善・LP最適化・入札戦略・セグメント分析を地道に行うことで、大幅な改善が可能になります。
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