リスティング広告を始める企業にとって、最初の大きな判断は「自社で運用するか、代理店に外注するか」です。
内製化すれば柔軟にコントロールできますが、知識やリソース不足で成果が出にくいこともあります。
一方で代理店に外注すれば専門家の知見を活用できますが、費用やコミュニケーション面の課題も発生します。
本記事では、広告運用を外注するメリットとデメリットを整理し、自社に最適な判断を行うためのポイントをご紹介します。
👉 代理店選びの具体的な基準は、リスティング広告代理店を選ぶ基準とは? を先にご覧ください。
外注するメリット
① 専門知識と最新ノウハウの活用
リスティング広告は入札戦略、品質スコア、広告文の改善、LP最適化など多くの要素が絡み合います。
外注すれば、最新のGoogle広告ガイドラインやYahoo!広告の仕様変更に対応できる専門家の知識を活用できます。
特に、月間CV数が少なく自動最適化が働きにくい中小企業にとっては、代理店の手動調整ノウハウは大きな武器になります。
② 運用工数の削減
自社で運用すると、毎日の入札調整や除外KW設定、レポート作成に多くの時間を取られます。
外注すれば、社内リソースを商品開発や営業など本来の業務に集中させることが可能です。
③ 改善提案と戦略立案
経験豊富な代理店は、単なる運用代行にとどまらず「どうすれば成果を伸ばせるか」という戦略提案も行います。
広告文のABテストやLP改善、ターゲティングの見直しなど、成果を高める施策を継続的に実施できます。

当社では毎月のレポート提出時に必ず次の改善案を提示し、CPAの最適化に直結する施策を伴走しています。
④ 成果が安定しやすい
専門家の目が常に入るため、成果が安定しやすい点もメリットです。
季節変動や競合状況に応じて配信設定を細かく調整することで、広告効果のブレを小さく抑えることができます。
外注するデメリット
① 手数料コストが発生する
広告費に加えて代理店手数料がかかります。一般的にはFeeとして広告費の20%が相場となっており、広告費を300万円/月だとした場合は、Feeが60万円となりますので、60万円の価値がある運用かどうかが判断基準となります。広告費が仮に1億円になればFeeは2000万円となりますのでとんでもない額のコストであることは間違いありません。また、少額予算の中小企業にとっても仮に50万だとしてもプラスで10万手数料がかかる異なりますので、10万円の負担がとても大きく、負担感が大きくなる可能性があります。
固定費や最低手数料が設定されている代理店も多いため、契約前に条件を必ず確認しましょう。
② 社内にノウハウが蓄積しにくい
運用を丸投げすると、社内に知見が残らないリスクがあります。成功してリスティング広告で獲得が出来たとしても、自社では集客の具体的な成功要因がわからず代理店依存になってしまいます。そうなると代理店とのパワーバランスも崩れますし、会社としての運営リスクも高まります。広告依存度が高くなり広告をずっとやり続けないといけないというのも会社にとっては大きなリスクであり、なるべき社内に運用ノウハウを蓄積していけるような運用を念頭において取り組むのがおすすめです。
③ コミュニケーションのギャップ
事業についての理解が及んでいないと広告内容やターゲットの理解に差が生まれたりし、成果につながらない施策が続いてしまう恐れもあります。リスティング広告上でチャンスがあるキーワードと企業の事業的にとりたい顧客層の検索するキーワードに差があるような事業だと、代理店側の成果を出すための方針と、事業側の成果を出すための方針にギャップが生まれ、コミュニケーションのギャップにつながることも多いです。
④ 代理店依存によるリスク
担当者の変更や代理店の体制変更によって運用の質が左右されることがあります。
また、代理店が自社にとって最優先でない場合、十分なリソースが割かれないこともあります。
外注が向いているケース/内製が向いているケース
外注と内製のどちらが最適かは、自社の規模やリソース状況によって変わります。
- 外注が向いている:広告予算が一定以上あり、専門知識を社内でカバーできない場合
- 内製が向いている:広告予算が少なく、社内にマーケ担当がいて学習意欲も高い場合
まとめ
広告運用を外注することで、専門知識や改善提案を活用し効率的に成果を上げられますが、コストやコミュニケーション面のデメリットも存在します。
自社のリソースと予算状況を踏まえて、外注と内製のどちらが最適かを判断しましょう。
👉 次に読む:自社にあった代理店を見極める質問集

