この記事でわかること
  • インナーブランディング会社(支援会社)に依頼できることと、会社のタイプ別の得意領域
  • 自社に合う支援会社を選ぶためのチェックポイント
  • 依頼範囲ごとの費用の考え方と、見積もりを比較するときの注意点
  • 問い合わせから契約までの進め方と、契約前に確認しておきたいこと
  • 自社だけで進める場合と外部に依頼する場合の違い

「インナーブランディングを外部の会社に相談したいが、どこに頼めばよいのかわからない」という声はよく聞きます。検索すると支援会社の一覧記事が数多く出てきますが、ブランディング専門会社、社内報の制作会社、組織開発や人事のコンサルティング会社、広告代理店、社内向けツールのベンダーなど、出自も得意分野も異なる会社が同じ「インナーブランディング支援」という言葉で並んでいるため、かえって比較しにくくなっているのが実情です。

支援会社選びで大切なのは、社名の知名度や実績の数よりも「自社の課題に対して、どの領域を、どこまで任せたいのか」を先に決めることです。理念をこれから言語化したいのか、すでにある理念を現場に浸透させたいのか、社内報やイベントなどの施策を実行する手が足りないのかによって、相性のよい会社のタイプは変わります。

この記事では、特定の会社を並べて評価するランキングではなく、支援会社のタイプごとの得意領域、選び方のチェックポイント、依頼範囲と費用の考え方、契約前に確認したいこと、自社で進める場合との比較を整理しました。インナーブランディングコンサルティングを検討している人事・広報・経営企画の担当者の方が、社内で相談先を検討する際の材料として使っていただければと思います。


目次
  1. インナーブランディング会社に依頼できること
  2. インナーブランディング支援会社のタイプと得意領域の比較
    1. タイプで選ぶときの考え方
    2. 一覧記事やランキングを見るときの注意点
  3. 自社に合う支援会社の選び方:比較のチェックポイント
    1. 課題のヒアリングに時間をかけてくれるか
    2. 自社で続けられる状態を目指しているか
    3. 経営層と現場の両方に向き合えるか
  4. インナーブランディング支援の依頼範囲と費用の考え方
    1. 費用を左右する主な要素
    2. 主な契約形態の違い
    3. 見積もりを比較するときの注意点
  5. 依頼から契約までの進め方と、契約前に確認すること
    1. 問い合わせから支援開始までの流れ
    2. 相談前に社内で整理しておきたいこと
    3. 契約前に確認しておきたいこと
  6. 自社で進める場合と支援会社に依頼する場合の比較
    1. 自社で進めやすいケース
    2. 外部の支援を検討したいケース
  7. 支援会社への依頼でつまずきやすいパターンと防ぎ方
    1. インナーブランディングの進め方を相談してみませんか
  8. まとめ
  9. よくある質問
    1. インナーブランディングは支援会社に頼まないとできませんか?
    2. インナーブランディングコンサルティングの費用はどれくらいですか?
    3. 支援会社には何社くらい相談するのがよいですか?
    4. 中小企業でもインナーブランディング支援を依頼できますか?
    5. 支援期間はどれくらいを見込めばよいですか?
  10. 関連記事
  11. 参考情報

インナーブランディング会社に依頼できること

インナーブランディング会社に依頼できるのは、課題の診断、理念の言語化、施策の企画、制作、運用の伴走の5つです。

インナーブランディングは、企業の理念や価値観、目指す方向性を社員が理解し、共感し、日々の行動に移せる状態をつくる取り組みです。社外に向けたブランディングと違い、成果が「社員の認識や行動の変化」として表れるため、何か一つの施策を実施すれば終わりというものではありません。そのため支援会社に依頼できる内容も幅広く、会社によって引き受ける範囲がかなり異なります。

領域主な内容成果物・アウトプットの例
現状把握・診断経営層や社員へのインタビュー、アンケート、既存サーベイの読み解き、課題の仮説づくり現状分析レポート、課題の優先順位
理念・ブランドの言語化ミッション・ビジョン・バリューやパーパスの策定・見直し、行動指針への落とし込み理念体系、行動指針、ブランドブックの原稿
浸透施策の企画研修、ワークショップ、社内イベント、表彰制度、社内コミュニケーションの設計年間施策計画、KPI案
制作・実行社内報、ブランドブック、動画、社内ポータル、イベントの制作・運営各種制作物、運営マニュアル
運用・伴走施策の振り返り、効果測定、担当者への助言、社内推進体制づくりの支援定例ミーティング、改善提案

実際には、これらをすべて一社で引き受ける会社もあれば、特定の領域だけを専門にしている会社もあります。経済産業省の「人材版伊藤レポート2.0」でも、企業文化を定着させるためには理念や求める行動を定義するだけでなく、任用・昇進・報酬・表彰などの仕組みや、経営陣と社員の対話と結びつけることが示されています。つまりインナーブランディングは、制作物だけ、研修だけで完結しにくいテーマです。どの領域を外部に任せ、どこを社内で担うのかを最初に考えておくと、相談先を絞り込みやすくなります。

インナーブランディングそのものの考え方を整理したい方は、インナーブランディングとは?定義・目的・効果を初心者向けに徹底解説もあわせてご覧ください。

太田高寛

ご相談をいただくとき、最初は「社内報をリニューアルしたい」「研修をやりたい」といった施策の話から始まることが多いと感じています。ただ、お話を伺っていくと、本当の困りごとは部署間の連携や、営業とマーケティングの認識のずれにあることも少なくありません。依頼内容を決める前に、まず何に困っているのかを言葉にしてみることをおすすめしたいと思います。

インナーブランディング支援会社のタイプと得意領域の比較

支援会社は出自によって得意領域が異なります。課題が言語化・浸透・制作・仕組み化のどこにあるかで選ぶのが近道です。

「インナーブランディング 支援 企業」などで検索すると多くの会社が見つかりますが、大きく分けると次のようなタイプに整理できます。ここで挙げるのは一般的な傾向であり、同じタイプでも会社によって対応範囲は異なります。最終的には各社の公式サイトや提案内容で確認してください。

タイプ得意な領域向いているケース確認しておきたい点
ブランディング専門会社理念・ブランドの言語化、ブランド体系の設計、ビジュアルやブランドブックの制作理念やパーパスを新たにつくる、または大きく見直したい策定後の浸透や運用まで支援範囲に含まれるか
社内報・社内メディア制作会社社内報、動画、ブランドブックなどの企画・制作、継続的な発信の運用理念はあるが、社員に届ける手段や制作の手が足りない制作物の目的や効果測定まで一緒に考えてくれるか
組織開発・人事コンサルティング会社サーベイ、研修、ワークショップ、評価・人事制度との連動エンゲージメントの低下や、制度と理念の不一致が課題発信や制作物など、コミュニケーション面の対応範囲
広告代理店・PR会社系社内外のブランドの一貫性、キャンペーン設計、イベントや周年事業社外向けブランディングや周年事業と連動させたい社内向け施策の専任体制や、予算規模の前提
ツールベンダー社内SNS、サーベイ、表彰・称賛などのツール提供と導入支援施策を継続して回す仕組みや、状況を数値で把握する手段がほしいツール導入後の運用設計や、ツール以外の施策の支援範囲
マーケティング・事業系コンサルティング会社事業戦略やマーケティングと結びつけた社内の意識づくり、部門間連携営業とマーケティングの連携不足など、事業成果に直結する課題がある組織全体の理念浸透まで扱うか、特定部門が中心か

タイプで選ぶときの考え方

タイプの比較で迷ったら、自社の課題がどの段階にあるかを考えてみてください。理念そのものが言葉になっていないのであれば、言語化を得意とするブランディング専門会社やコンサルティング会社が候補になります。理念はあるのに浸透していないのであれば、浸透施策や制度との連動を得意とする組織開発系の会社や、発信を担う制作会社が合う場合が多いでしょう。

一方で、課題が複数の段階にまたがっている場合は、一社にすべてを任せるか、診断や全体設計を担う会社と制作を担う会社を組み合わせるかを検討します。後者の場合は、誰が全体の方針を持ち、施策同士の一貫性を保つのかを明確にしておかないと、制作物ごとにメッセージがずれてしまうことがあります。

一覧記事やランキングを見るときの注意点

支援会社の一覧記事は相談先の候補を知るには便利ですが、掲載の基準や情報の更新時期は記事によって異なります。サービス内容や料金は変わることもあるため、気になる会社が見つかったら、必ず公式サイトや問い合わせで最新の情報を確認するようにしてください。

太田高寛

どのタイプが優れているということではなく、得意な入口が違うのだと思います。制作会社さんは「届け方」、組織開発系の会社さんは「制度や関係性」、私たちのようなマーケティング寄りの会社は「事業の成果とどうつなげるか」から入ることが多いと感じています。自社の課題がどこから始まっているのかに合わせて選ぶのが自然です。

自社に合う支援会社の選び方:比較のチェックポイント

支援会社は、課題の捉え方、支援範囲、担当者、社内の負担、成果の確認方法の5点を同じ条件で比べることが大切です。

複数の会社に相談すると、提案の切り口も見積もりの形式もばらばらで、比較に悩むことがよくあります。次のチェックポイントを手元に置いて、各社の提案を同じ観点で見ていくと判断しやすくなります。

チェックポイント確認したいこと
課題の捉え方自社の状況をヒアリングしたうえで、施策ありきではなく課題の仮説から提案しているか
支援範囲診断・言語化・施策の企画・制作・運用のどこまでを担うのか。範囲外の部分を誰が担う想定か
実績の中身件数だけでなく、どんな課題に対して、どの範囲を担当し、どんな変化を確認したのか
担当者提案した人が実際のプロジェクトにも関わるのか。担当者の経験や専門領域
社内の負担自社側に求められる工数、意思決定の場面、準備が必要な資料や人員
成果の確認方法何をもって進捗や成果とみなすのか。サーベイや行動指標など、確認の方法とタイミング
内製化への姿勢支援終了後も社内で続けられるよう、ノウハウの移転や体制づくりを支援するか

課題のヒアリングに時間をかけてくれるか

インナーブランディングは会社ごとに背景が大きく異なるため、最初の打ち合わせで課題をどれだけ丁寧に聞いてくれるかは重要な判断材料です。会社の歴史、経営層の考え、現場の声、過去に試した施策とその結果などを聞かずに、すぐに定型のプランを提示してくる場合は、自社に合わせた提案になっているかを慎重に見たほうがよいでしょう。

自社で続けられる状態を目指しているか

外部の支援はいつか終わります。支援期間中だけ施策が回り、終了後に止まってしまうのでは意味がありません。社内の推進担当者を育てる、運用の手順を残す、判断の基準を共有するなど、支援終了後を見据えた進め方を提案してくれるかどうかも確認しておきたい点です。

経営層と現場の両方に向き合えるか

インナーブランディングは経営層の関与なしには進みにくい一方で、経営層の考えを一方的に伝えるだけでは現場の共感は得られません。経営層へのインタビューや合意形成の場づくりと、現場社員への聞き取りや対話の設計の両方に対応できるかどうかは、提案内容や過去の進め方から確認できます。

太田高寛

比較のときにぜひ見ていただきたいのは、「この会社は私たちの話をどれだけ聞いてくれたか」という点です。インナーブランディングは社内の事情に深く入っていくテーマなので、話しやすさや相性も意外と大事だと思っています。提案書の見栄えだけで決めないほうが、結果的にうまくいくことが多いように感じます。

インナーブランディング支援の依頼範囲と費用の考え方

費用は依頼範囲、期間、対象人数、制作物の量で大きく変わります。総額ではなく含まれる業務をそろえて比べるのが基本です。

インナーブランディングコンサルティングの費用は、公開されている情報が少なく、相場をひとことで示すのが難しい分野です。同じ「理念浸透の支援」でも、助言中心の月額契約なのか、調査から制作まで含むプロジェクト型なのかで金額の考え方がまったく異なるためです。ここでは金額の目安を示す代わりに、費用を左右する要素と契約形態の違いを整理します。

費用を左右する主な要素

要素費用への影響
依頼範囲助言のみか、調査・言語化・企画・制作・運営まで含むかで大きく変わる
期間と頻度支援期間の長さ、定例ミーティングの頻度、現場への訪問の有無
対象人数・拠点数インタビューやアンケートの対象者数、ワークショップの回数、拠点の数
制作物の種類と量社内報の号数やページ数、動画の本数、ブランドブックの有無、修正回数
担当者の体制コンサルタントの人数や役職、制作スタッフやイベント運営スタッフの有無
ツールの利用サーベイや社内コミュニケーションツールを使う場合の利用料や初期設定

主な契約形態の違い

契約形態特徴向いているケース
月額の顧問・伴走型定例ミーティングや随時の相談を通じて助言し、社内の推進を支える社内に推進担当者がいて、進め方の相談相手がほしい
プロジェクト型理念策定や周年事業など、期間と成果物を決めて一括で依頼するゴールと成果物がはっきりしている
制作物ごとの個別発注社内報や動画など、制作物単位で見積もる方針は社内で決まっていて、制作の手が足りない
ツールの利用契約ツールの利用料が中心で、導入支援が付く場合もある施策を継続的に回す仕組みを整えたい

参考までに、当社(TSRコンサルティング)のインナーブランディング支援は月額5万円(税抜)からとなっており、相談から実務の支援、社内に入っての課題抽出までご相談いただけます。どの程度の関わり方が必要かによって内容と費用は変わりますので、まずは現状をお聞きしたうえでご提案しています。

見積もりを比較するときの注意点

  • 総額だけでなく、どの業務が含まれ、どの業務が別料金なのかを一覧にしてそろえる
  • インタビュー人数、ワークショップ回数、制作物の本数や修正回数など、前提条件をそろえる
  • 支援期間が終わったあとの効果検証や改善の支援が含まれるかを確認する
  • 自社側で必要になる工数(社内調整、資料準備、社員の参加時間)も実質的なコストとして見積もる
太田高寛

費用のご相談では、最初から大きな範囲をまとめて契約するより、まず診断や課題整理から小さく始めて、必要な範囲を見極めてから広げていくほうが無理がないと感じています。社内で予算の説明をするときにも、何にいくらかかるのかを分けておくと、理解を得やすいのではないでしょうか。

依頼から契約までの進め方と、契約前に確認すること

相談前に課題を整理し、提案を同じ条件で比べ、契約前に範囲・体制・成果の確認方法を文書で合意しておくと安心です。

問い合わせから支援開始までの流れ

  1. 社内での課題整理:困っていること、きっかけ、関係する部署、これまでに試した施策を書き出す
  2. 相談先の候補選び:課題の段階に合うタイプの会社を2〜3社程度に絞る
  3. 初回相談・ヒアリング:現状を説明し、相手の課題の捉え方や進め方の考えを聞く
  4. 提案・見積もりの受領:支援範囲、体制、スケジュール、費用、成果の確認方法を確認する
  5. 社内での比較・稟議:チェックポイントに沿って比較し、経営層の合意を得る
  6. 契約・キックオフ:役割分担と進め方を確認し、関係者で目的を共有して開始する

相談前に社内で整理しておきたいこと

相談の段階では、完璧な資料は必要ありません。ただ、次のような点を簡単にまとめておくと、初回の打ち合わせが具体的になり、提案の精度も上がります。

  • なぜ今インナーブランディングに取り組みたいのか(組織の変化、事業の転換、離職、部署間の連携不足など)
  • 理念や行動指針はすでにあるか、あるとすれば社員にどの程度知られているか
  • 経営層はこの取り組みにどの程度関わる意向があるか
  • 社内の推進担当者は誰で、どれくらいの時間を割けるか
  • 予算の目安と、検討のスケジュール

契約前に確認しておきたいこと

確認項目具体的に確認すること
業務範囲含まれる業務と含まれない業務。追加が発生する場合の扱い
体制主担当者と関わるメンバー、担当者が変わる場合の扱い
スケジュール主要な節目と、自社側の意思決定が必要なタイミング
成果の確認方法進捗や成果を何で確認し、いつ振り返るのか
成果物の扱い作成した理念体系や制作物、調査データの利用範囲や権利の扱い
情報の取り扱い社員インタビューやアンケートの個人情報、回答の匿名性の扱い
契約期間と終了最低契約期間の有無、更新や解約の条件

特に社員へのアンケートやインタビューを外部に任せる場合は、回答がどのように扱われるのかを社員に説明できるようにしておくことが大切です。社員が安心して本音を話せるかどうかは、調査の質に直結します。進め方全体の流れは、インナーブランディングの進め方ロードマップ:企画、設計、実行、評価の7ステップで詳しく解説しています。

太田高寛

契約前の打ち合わせでは、「うまくいかなかったときにどうするか」も遠慮せずに聞いておくとよいと思います。インナーブランディングは計画どおりに進まないことも多いので、途中で方針を見直せる関係かどうかは、長く一緒に取り組むうえでとても大事だと感じています。

自社で進める場合と支援会社に依頼する場合の比較

自社だけでも進められますが、客観的な診断や設計が必要な部分だけを外部に任せる「併用」が現実的な選択肢です。

インナーブランディングは、必ずしも外部に依頼しなければ進められないものではありません。社内の事情を一番よく知っているのは社員自身であり、自社で主体的に進めることには大きな意味があります。一方で、社内だけでは気づきにくい課題や、推進のための時間と経験が不足しがちなのも事実です。

観点自社で進める支援会社に依頼する併用する
費用外部費用は抑えられるが、担当者の工数がかかる外部費用がかかる必要な部分に絞って外部費用をかける
客観性社内の思い込みや立場の影響を受けやすい第三者の視点で課題を捉えやすい診断など客観性が必要な部分を外部に任せられる
ノウハウ試行錯誤しながら蓄積する他社での経験に基づく進め方を活用できる外部の知見を取り入れながら社内に残せる
スピード担当者の兼務状況に左右されやすい計画に沿って進めやすい外部の力を借りて立ち上げを早められる
社内への定着自分たちの言葉で進めるため定着しやすい依存しすぎると支援終了後に止まりやすい社内主体で進めつつ、定着まで伴走を受けられる

自社で進めやすいケース

経営層が強い意志を持って関わっており、社内に推進を担える担当者がいて、ある程度の時間を割ける場合は、自社主体で進めやすいでしょう。書籍やセミナーで基本的な考え方を学びながら、小さな施策から始めて振り返りを重ねていく方法もあります。参考になる書籍はインナーブランディングの本おすすめ20選|目的別に担当者向けの書籍を紹介でまとめています。

外部の支援を検討したいケース

  • 施策は実施しているものの、何が課題なのかがはっきりしない
  • 経営層と現場、部署と部署の間で認識のずれがあり、社内の人間では間に入りにくい
  • 推進担当者が兼務で、企画から実行まで手が回らない
  • 理念の策定や見直しなど、経験の少ない取り組みに初めて挑戦する
太田高寛

私たちが目指しているのは、最終的にお客様の社内だけでインナーブランディングを回せる状態です。そのため、最初は外部の視点で課題を整理し、進めながら少しずつ社内に役割を移していく形が、多くの会社にとって無理のない進め方ではないかと考えています。

支援会社への依頼でつまずきやすいパターンと防ぎ方

つまずきの多くは、目的のあいまいさ、丸投げ、施策の単発化が原因です。役割分担と振り返りの場を先に決めておきましょう。

つまずきやすいパターン起こりやすいこと防ぐための工夫
目的があいまいなまま依頼する施策は実施したが、何が変わったのか誰も説明できない依頼前に「どんな状態を目指すのか」を一文で言えるようにしておく
すべてを外部に任せきりにする社員から「外部がやっていること」と見られ、当事者意識が生まれない社内の推進担当者を決め、社員に向けた発信は自社の名前で行う
施策が単発で終わるイベントや研修の直後は盛り上がるが、日常の行動につながらない年間の計画のなかで施策をつなげ、定期的に振り返る
制度との不一致を放置する理念と評価や表彰の仕組みが合わず、社員が混乱する人事部門を早い段階から巻き込み、制度との整合を確認する
経営層が途中で関わらなくなる現場が「本気ではない」と受け取り、取り組みが失速する経営層の役割と関わる場面を、計画の段階で決めておく

インナーブランディングが期待どおりの成果につながらない理由と前提条件については、インナーブランディングは「意味ない」のか?効果を最大化するための前提条件でも取り上げています。支援会社を選ぶ前に一度目を通しておくと、依頼の際に確認すべき点が見えやすくなると思います。

太田高寛

外部の会社がどれだけ良い提案をしても、社内に「自分たちの取り組みだ」と思ってくれる人がいないと続かないと感じています。支援会社はあくまで伴走役で、主役は社員の皆さんです。依頼するときにも、その前提を社内とすり合わせておくことが大切だと思います。

インナーブランディングの進め方を相談してみませんか

TSRコンサルティングでは、社内だけでは客観視しにくい組織課題をインナーブランディングの観点から整理する「診断」と、プランニングから実行までを助言し、自社で推進できるようになるまで伴走する「助言・推進支援」を行っています。営業とマーケティングの連携不足、社員の意思統一、縦割りによる部署間の連携不足といった課題もご相談ください。料金は月額5万円(税抜)からです。

まとめ

  • インナーブランディング会社は、ブランディング専門会社、社内報・社内メディア制作会社、組織開発・人事コンサルティング会社、広告代理店系、ツールベンダーなど出自によって得意領域が異なる
  • 支援会社選びでは、課題の捉え方、支援範囲、担当者、社内の負担、成果の確認方法、内製化への姿勢を同じ条件で比較する
  • 費用は依頼範囲、期間、対象人数、制作物の量、体制で大きく変わるため、総額ではなく含まれる業務と前提条件をそろえて見積もりを比べる
  • 自社だけで進めるか外部に任せるかの二択ではなく、客観的な診断や設計など必要な部分だけを外部に任せる併用も検討する

よくある質問

インナーブランディングは支援会社に頼まないとできませんか?

必ずしも外部に頼む必要はありません。経営層が関与し、社内に推進担当者がいれば自社主体で進められます。ただ、社内だけでは課題を客観視しにくい場合や、推進の手が足りない場合は、診断や設計など一部だけ外部の支援を受ける方法もあります。

インナーブランディングコンサルティングの費用はどれくらいですか?

依頼範囲、期間、対象人数、制作物の量によって大きく変わるため、一律の相場は示しにくい分野です。複数社の見積もりを、含まれる業務と前提条件をそろえて比較することをおすすめします。当社の支援は月額5万円(税抜)からです。

支援会社には何社くらい相談するのがよいですか?

決まりはありませんが、課題に合うタイプの会社を2〜3社程度に絞って相談すると、提案の違いを比較しやすく、社内での検討の負担も抑えられます。同じ説明資料を使って相談すると、比較がしやすくなります。

中小企業でもインナーブランディング支援を依頼できますか?

依頼できます。社員数が少ない会社では経営層と社員の距離が近く、取り組みの効果が見えやすい面もあります。予算に合わせて、助言中心の月額契約や、課題の診断だけを依頼するなど、範囲を絞った依頼の仕方を相談してみるとよいでしょう。

支援期間はどれくらいを見込めばよいですか?

社員の認識や行動の変化には時間がかかるため、短期で完結するものではありません。理念策定などのプロジェクトは期間を区切り、浸透や運用は振り返りの時期を決めて継続的に進めるのが一般的です。具体的な期間は、範囲と体制を踏まえて相談先と決めてください。

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